蛙の世界

それは様々なセカイを垣間見ることができる、自らのセカイを広げる仕組みのはずだった
でも、知らないセカイを垣間見るためにはセカイに興味を持ち、セカイを知る努力が必要だった

とは言うものの、目を覆いたくなるような事態にあるセカイをわざわざ見たくはないし、聞いて耳が痛くなるようなことに進んで耳をかす人はいない
だから、彼らは皆自らの知りたいことを調べ、自らの聞きたい言葉を聞いた


蛙は井戸を深く深く深く掘っていき、大海から目をそらし、そしてまたさらに遠くなった空を見て嘆くのだ